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妊娠をすると物忘れが酷くなるという俗説があります。妊娠や出産を通じて、記憶力と知的能力が落ちる現象の事が「マミーブレイン(mommy brain)」です。実際、多くの女性は妊娠期間中に記憶力と集中力が下がったり、物忘れも酷くなるなど、頭脳能力低下を経験するらしいです。ある人々は、そんなことは妊娠をすることによって起こる、ただの心理的な変化だと、まるで迷信のように思い込んでいるらしいですが、実はこのマミーブレイン現象については、かなりの科学的な根拠が揃っているのです。

 

 

 マミーブレイン現象、妊娠をすると知能が落ちる?

とりあえず女性が妊娠すると、脳で変化が起きるという事は、事実らしいです。実際、妊娠した女性の脳を調べる前に、ネズミを対象に脳の変化を研究したところ、妊娠したネズミの場合、その脳組織が一定の変化を起こしたらしいです。特に妊娠回数が多く、子をたくさん産んだネズミであればあるほど、脳細胞の変化の幅は多かったらしいです。問題はその変化の方向で、スペインとオランダの共同研究チームが、女性23名の妊娠前後の脳状態をCT撮影し分析した結果、灰白質(gray matter)と海馬(hippocampus)が縮小されることが判明しました。

 

主に大脳皮質に分布している灰白質(gray matter)は、脳の神経細胞が集まった組織で、脳の主要活動をほとんど担当するほど重要な部分です。ところが、妊娠すると灰白質の中で、社会的認知や他人への共感能力などの社会的機能を担当する部分が縮小されるらしいです。おまけに、記憶力を司る海馬(hippocampus)も縮小され、記憶力が減退して物忘れまで生じてしまいます。問題はこの現象が妊娠中だけ起きるのではないところです。出産後の海馬は再び元通りに戻りますが、大脳灰白質は妊娠時と同様に縮小されたまま維持され、回復はされないです。

だが、これに関する反論もまた存在します。キャンベラにあるオーストラリア国立大学のHelen Christensen教授は、2004年と2008年に20歳から24歳の間の女性2,500人を対象に研究した結果、出産前後の論理・記憶テストでは同じ結果が出ており、妊娠や出産が脳力には影響を与えないと主張しています。また、妊娠によって大脳の灰白質が縮小され、認知能力が低下しても、相変わらず許容範囲内らしいです。妊娠すると知能が落ちるということは、プラセボ効果によるモノだと、主張しているのです。

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