[企業分析] 三菱商事(Mitsubishi Corporation)

「三菱商事(Mitsubishi Corporation)」は、日本5大総合商社である「三菱商事(Mitsubishi Corporation)」、「住友商事(Sumitomo Corporation)」、「三井物産(Mitsui & Co., Ltd.)」、「伊藤忠商事(Itochu Corporation)」、「丸紅(Marubeni Corporation)」の一角であり、総合商社最大規模の売上高を持っています。「三菱グループ」の核心企業であり、全世界90ヶ国に1,400社に至る連結事業会社を通じ、様々な事業を展開しています。連結従業員数は約79,994名です。

 

1. プロフィール

 

2. 概要および特徴

 

3. 主要事業

 

4. 財務情報

 

 

 

1. プロフィール

 

※単位は100万円、2018年基準

社名	三菱商事
英文社名	Mitsubishi Corp.
設立	1918年
本社所在地	〒100-8086 東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
資本金	204,446
連結売上高	16,103,763
連結営業利益	1,987,811
連結総資産	16,532,800
連結総資本	6,636,920
自己資本比率	40.1%
連結従業員数	79,994

 

 

 

 

2. 概要および特徴

 

「三菱商事」の起源は、1865年に坂本龍馬(Sakamoto Ryoma)が結成した、日本初の株式会社とも言われる「海援隊(Kaientai)」です。その後、岩崎弥太郎(Iwasaki Yataro)によって「九十九商會(Tsukumo Trading Company)」と変わり、これが「三菱グループ」に発展しました。大正時代から第1次世界大戦まで、取り使い品目数が飛躍的に増える事によって、各事業部門を独立させる必要が生じ、1918年に現在の「三菱商事」が独立されます。

第2次世界大戦後は、「三井物産(Mitsui & Co., Ltd.)」と同じくGHQの直接命令によって解散され、174社に分裂します。しかしその後、旧財閥系企業の活動制限の緩和によって、「不二商事」,「東京貿易」,「東西交易」の3社に集約。やがて1954年に至っては「光和実業」が「三菱商事」を商号を取り、前述の3社がこれに吸収される事によって、再び「三菱商事」が復活する事になります。

日本国内ではあまり知られていないですが、「三菱商事」は5大総合商社の中で、最も韓国と深く関わっている会社です。特に1960年代、韓国工業界を日本の下請け化し、対米輸出の足場にするため、韓国の軽工業製品を第3国に販売する事業も実施しました。これを通じ、1963年までは約1兆円に過ぎなかった「三菱商事」の売上高は、67年には2兆円、69年には3兆円、70年には4兆円に至る超急成長を果たし、「三菱商事」は日本5大総合商社のトップに立つ事になります。

しかし、この時期までは「三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.)」と「三菱自動車工業(Mitsubishi Motors Corporation)」の貿易仲介が事業の中心でしたが、1970年代からは天然ガスなどの資源開発に直接投資を実施する事になります。また1980年代には「三菱食品(Mitsubishi Shokuhin Co., Ltd.)」を通じ、食品流通の供給チェーンを構築し、1990年代からはコンビニチェーンである「ローソン(LAWSON, INC.)」を通じ、一般消費者向け市場へ進出します。このように様々な事業分野に進出する事によって、受益を拡大してきました・

今現在、「三菱商事」の強みは"総合力"だと言われている程、色んな分野において比較的に安定した経営基盤を築いています。「ローソン」や「三菱食品」事業もいい成果を出していますが、それよりもエネルギー・資源分野において「三菱商事」の存在感はダントツしています。「三菱商事」は日本全体のLNG需要の10%を補う規模であり、石炭事業に関しては世界トップです。但し、このような資源事業の場合、値段の変動によって業績が左右されやすいです。なので「三菱商事」は資源分野の売上が全体の30%程度で収まるように、社内的な目標を立てているらしいです。

 

 

 

3. 主要事業

 

■ エネルギー事業
石油および天然ガスを主に取り扱っています。2014年、「Royal Dutch Shell」を始めとする関連大手企業3社と共同で、カナダのLNGプラント設計を実施する事業会社を設立する等、LNG分野に力を入れています。

■ 金属事業
金属資源(石炭・銅・アルミニウム)と鉄鋼製品を取り扱っています。現在、南米のチリに世界最大規模の銅山を保有しています。銅の値下げによって、最近までは赤字状態でしたが、今は黒字転換されている状態です。

■ 地球環境・インフラ事業
電力事業(火力・風力)、インフラ事業(FPSO・空港運営・水事業)、環境事業(太陽光電池関連・電力取引など)を実施しています。

■ 新事業・金融事業
企業投資・賃貸・不動産・都市開発・物流も取り扱っています。2011年には、大手航空会社2社と共同出資し、LCCである「ジェットスタージャパン(Jetstar Japan Co., Ltd)」を設立しました。これによって、日本国内外の顧客により安い価格の航空旅行を提供しています。

■ 機械事業
産業機械(エレベーター・建設機械など)、船舶、航空宇宙製品、自動車(「三菱自動車工業」, 「いすゞ自動車(Isuzu Motors Ltd.)」がメイン)を取り扱っています。

■ 化学事業
石油化学・基礎価格製品(アルカリ系・アルコール系・無機化学系肥料)、生命化学(食品化学など)も取り扱っています。

■ 生活産業事業
食品原料・小売り事業・医療事業を取り扱っています。

 

 

 

4. 財務情報

 

※単位は100万円、2018年基準

		2016年	2017年	2018年
連結売上高		6,425,761	7,567,394	16,103,763
連結売上総利益		1,328,638	1,886,640	1,987,811
連結総資産		15,753,557	16,036,989	16,532,800
連結純資産		5,789,011	6,265,211	6,636,920
売上総利益内訳	地球環境・インフラ	38,013	38,140	43,679
	新事業金融	60,195	49,949	43,771
	エネルギー	37,663	55,711	83,437
	金属	414,766	452,804	501,971
	機械	182,061	195,593	214,322
	化学品	112,976	116,154	119,146
	生活産業	473,224	971,796	974,505
	その他	7,850	7,081	6,807
	조정	1,890	-588	173