スコラ哲学とは？

「スコラ哲学」の意味

9~16世紀の中世ヨーロッパ諸国に多大な影響与えた、キリスト教神学を中心とした哲学的思想の事を言います。

 

スコラ(schola)とは、古代ギリシャ語であるスコレ(σχολη)から由来し、"余裕"という意味を持っています。この単語は、ラテン語では "学校"と言う単語で翻訳され、現在に至っては "学派"という意味で使われています。

 

 

「スコラ哲学」の特徴

本来、ヨーロッパ各地の教会や修道院では、「聖書こそ真理」という前提に人々を教えました。そして、それを合理的に証明し、人々を納得させる為、古代ギリシャ哲学を利用しました、これが、スコラ哲学の根源となります。

 

つまり、スコラ哲学がキリスト教がベースです。しかし、単純にキリスト教的な教訓を、一方的に押し付ける訳ではありません。寧ろ、哲学の領域である心理探求や人間の認識問題を扱い、それを信仰に結び付く事によって、神と人間の関係を論理的に発展させました。

ヨーロッパの中世だとしたら、暗黒時代とも認識されますが、スコラ哲学は神を信じる事を論理的根拠の基に展開させている為、今ではギリシャ哲学の跡を継ぎ、論理学を発展させたと評価されています。

 

実際、近代ヨーロッパの科学革命の原動力となった、デカルト・ローク・スピノザ・ライプニッツのような近代哲学者たちも、みんなスコラ哲学の影響を強く受けているのです。