[企業分析] 大阪ガス(Osaka Gas Co., Ltd.)

「大阪ガス(Osaka Gas Co., Ltd.)」は「東京ガス(Tokyo Gas Co., Ltd.)」,「東邦ガス(Toho Gas Co., Ltd.)」,「西部ガス(Saibugas Co., Ltd.)」と共に日本4大都市ガス事業者の一角です。近畿地方を中心に、約3,220㎢の領域で722万世帯にガスを供給しています。都市ガス販売量で言うと、全国2位で25%のマーケットシェアを持っており、ガス導管は総61,900kmに至っています。2018年には海外進出を考え、公式名称を「Daigas」に変えました。連結従業員数は約20,224名です。

 

1. プロフィール

 

2. 概要および特徴

 

3. 主要事業

 

4. 財務情報

 

 

 

1. プロフィール

 

※単位は100万円、2018年基準

社名	大阪ガス
英文社名	Osaka Gas Co., Ltd.
設立	1897年 4月 10日
本社所在地	〒541-0046 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
資本金	132,166
連結売上高	1,371,863
連結営業利益	67,977
連結総資産	2,029,722
連結総資本	1,035,044
自己資本比率	51.0%
連結従業員数	20,224

 

 

 

 

2. 概要および特徴

 

「大阪ガス」は日本ガス業界において、「東京ガス」に次ぐ売上規模を持っている会社です。「東京ガス」と合わせると、両社だけで業界全体売上の約70%を占めているほど、圧倒的な存在感を持っています。特に関西地方での知名度が高く、独占的なパイプラインを保有しているため、極めて安定的な受益構造を持っています。

また、自社パイプラインによる事業展開の他にも、同業社である「岡山ガス」、「四国ガス」、「大津市企業局」、「静岡ガス」などに天然ガスを卸売りしており、「関西電力(The Kansai Electric Power Co., Inc.)」や「沖縄電力」には発電用都市ガスを供給しています。

実は「大阪ガス」が所属しているガスインフラ業界は、安定志向が非常に高い方です。しかし「大阪ガス」は、逆に攻撃的な事業展開を見せています。特に電力自由化の流れに乗って進出した発電事業では、系列会社を含み国内では約181万kW、海外では約120万kWの発電容量の施設を確保しています。

また日本国内のみならず、東南アジア地域(タイ、シンガポール、インドネシア)にも進出しており、2030年度には全体利益の30%を海外事業から創出する事を目指しています。アメリカのミシガン州、コネチカット州、ペンシルベニア州では火力発電所を運営しており、LNG基地やシェールガス開発にも出資の形で参加しています。

また、企業競争力向上のための差別化戦略として様々な新技術の開発・実用化に積極手に取り扱っています。例えば、機器表面の熱を下げ、放射熱を減少させる方式の「低輻射方式」やダイオキシン除去方法を開発する等、いい評価を得ています。

 

 

 

3. 主要事業

 

■ 日本国内ガス事業
都市ガス製造・供給、販売、ガス機器の販売、ガス配管、LNG・LPG及び産業用ガス販売事業を実施しています。

■ 日本国内電力事業
自社発電施設で発電した電気を販売しています。

■ 海外エネルギー事業
天然ガスや石油などの開発・投資を行っており、エネルギー供給・LNG輸送タンカー賃貸事業も進めています。

■ ライフ＆ビジネスソリューション
不動産開発、賃貸、情報処理サービス、ファイン材料と炭素材製品も取り扱っています。

 

 

 

4. 財務情報

 

※単位は100万円、2018年基準

		2016年	2017年	2018年
連結売上高		1,183,846	1,296,238	1,371,863
連結営業利益		97,250	78,118	67,977
連結総資産		1,886,577	1,905,215	2,029,722
連結純資産		991,870	1,028,799	1,035,044
売上内訳	国内 エネルギー・ガス	897,294	959,511	999,476
	国内 エネルギー・電力	106,366	156,497	183,067
	海外 エネルギー	18,672	14,313	22,113
	ライフ&ビジネスソリューション	161,513	165,915	167,206