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「ファーストリテイリング(Fast Retailing Co., Ltd.)」は衣類会社「ユニクロ(UNIQLO CO., LTD)」を傘下に入れている持株会社で、売上高基準、世界3位のカジュアル衣類企業です。時価総額でいうと「ZARA」を保有した「Inditex」に次ぐ世界2位です。社内英語化を推進している代表的な日本企業で、連結従業員数は約56,523名です。
1. プロフィール
2. 概要および特徴
3. 主要事業
4. 財務情報
1. プロフィール
※単位は100万円、2018年基準
社名 |
ファーストリテイリング |
英文社名 |
Fast Retailing Co., Ltd. |
設立 |
1963年5月1日 |
本社所在地 |
〒754-0894 山口県山口市佐山 717-1 |
資本金 |
10,274 |
連結売上高 |
2,290,540 |
連結営業利益 |
257,636 |
連結総資産 |
2,010,558 |
連結総資本 |
983,534 |
自己資本比率 |
48.9% |
連結従業員数 |
56,523 |
2. 概要および特徴
1949年3月、柳井等(Yanai Hitoshi)が彼の兄である柳井政雄(Yanai Masao)から任された「小郡商事」の繊維・衣類部門を、「メンズショップ小郡商事(Men's Shop OS)」として山口県に開店しました。それから35年が経った1984年、柳井正(Yanai Tadashi)が広島県にユニセックスカジュアル衣類店を「 ユニーク・クロージング・ウェアハウス(UNIQUE CLOTHING WAREHOUSE)」という名称で1号店を設立。これが「ユニクロ」の始まりです。
元々はアメリカンスタイルの倉庫風建物に、クラシックな映画ポスターや有名人のポートレートが飾っている感じの、ナショナルブランドの衣類小売点でした。そこで、中国の工場たちと提携し、低価格で調達した衣類を日本全国に販売する事業モデルを構築。バブル崩壊後の1990年代に、コスパが高いという事で人気を得て、売上が急成長しました。
1997年からは自社ブランド商品の比率を高めていき、アメリカの衣類小売店である「GAP」をモデルにした製造型小売店(SPA)への事業転換を実施しました。経済状況に合わせた低価格・高品質の商品を展開したり、広告代理店と提携しPRを実施する等、攻撃的な戦略を取った結果、日本の衣類流通業最大企業になりました
2001年のイギリスを始め、海外18ヵ国で出店しています。実は「ユニクロ」の海外事業は、2006年基準では香港を除けば赤字だらけでしたが、2008年8月期から黒字転換されています。「ユニクロ」および「ファーストリテイリング」は店舗展開のみならず、会社組織的にもグローバル化が進んでおり、この為、本社従業員・店長の約3,000名に対し、"TOEIC 700点以上"の獲得を義務かしています。
「ユニクロ」の特徴は、優秀な品質のカジュアル衣類を低価格で提供する事で、2,900円のジンズなど、価格破壊の象徴としてマスコミに紹介され、爆発的にヒットしています。また、保温性を高めた下着の"ヒートテック(HEATTECH)"やブラジャーのカップを内蔵したキャミソールタンクトップである"ブラトップ(BRATOP)"など、機能性を追求した製品を展開しています。但し、デザイン的には個性のない製品が多いというイメージがあります。
では、どうやって優秀な品質の衣類を、低価格で提供できるかというと、「ファーストリテイリング」は製造小売業会社(SPA)だからです。これは商品企画・素材調達・協力工場での生産に至るまで、自社で一貫管理するビジネスモデルです。商社を経由する既存の小売業の事業モデルに比べると、在庫負担が大きい方です。しかしそれは、逆に売れさえすれば、小売業での販売利益のみならず、製造工程での利益も得られるという事を意味します。
その為、「ユニクロ」は極めて攻撃的な営業戦略を実施し、その結果、日本を代表するカジュアル衣類ブランドになりました。「ユニクロ」の中国での大量出店戦略や週間損益管理制度は、他の会社ではマネできないと評価されています。特に週間損益管理制度は、例え管理費用は上がってしまいますが、これによって毎週単位で現地需要を把握し、それに最適化された製品を販売する事ができ、海外での高い利益率の原動力となっています。
3. 主要事業
■ 日本国内ユニクロ事業
日本の衣類市場そのものは縮小傾向ですが、インターネット通販を中心に善戦しています。売上的には全体の40.6%を占めています。
■ 海外ユニクロ事業
まだまだ成長中の事業であり、主に中国・東南アジア・オセアニアで展開中です。売上的には全体の42.1%を占めています。
■ GU事業
低価格を強みとし、日本市場での大量出店を続けながら、中国・韓国等の海外市場への進出を図っています。
4. 財務情報
※単位は100万円、2018年基準
|
2016年 |
2017年 |
2018年 |
|
連結売上高 |
1,861,917 |
2,130,060 |
2,290,540 |
|
連結営業利益 |
176,414 |
236,212 |
257,636 |
|
連結総資産 |
1,388,486 |
1,953,466 |
2,010,558 |
|
連結純資産 |
762,043 |
902,777 |
983,534 |
|
売上内訳 |
日本国内 ユニクロ事業 |
810,734 |
864,778 |
872,957 |
海外 ユニクロ事業 |
708,171 |
896,321 |
1,026,032 |
|
GU事業 |
199,139 |
211,831 |
238,741 |
|
グローバルブランド事業 |
141,003 |
154,464 |
149,939 |
|
その他 |
2,868 |
2,664 |
2,877 |
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