[企業分析] トヨタ自動車(Toyota Motor Corporation)

「トヨタ自動車(Toyota Motor Corporation)」は日本最大の企業として、時価総額1位であり、四輪自動車部門で世界トップシェアを持っている自動車メーカーです。日本国内での市場占有率は40%であり、アメリカ市場でも強いです。「日野自動車(Hino Motors, Ltd.)」と「ダイハツ工業(Daihatsu Motor Co., Ltd.)」の母会社でもあります。過去は販売力量が優れた会社として知られていましたが、今では技術力の面も世界最高水準であり、日本で唯一世界レベル自動車メーカーと競争できる会社です。連結従業員数は約364,445名です。

 

1. プロフィール

 

2. 概要および特徴

 

3. 主要事業

 

4. 財務情報

 

 

 

1. プロフィール

 

※単位は100万円、2018年基準

社名	トヨタ自動車
英文社名	Toyota Motor Corp.
設立	1937年8月28日
本社所在地	〒471-8571 愛知県豊田市トヨタ町1番地
資本金	635,400
連結売上高	30,225,681
連結営業利益	2,467,545
連結総資産	51,936,949
連結総資本	20,565,210
自己資本比率	39.6%
連結従業員数	364,445

 

 

 

 

2. 概要および特徴

 

豊田佐吉(Toyota Sakichi)が愛知県に設立した「豊田自動織機製作所(Toyoda Automatic Loom Works, Ltd.)」で1933年9月開設された自動車部門が、今の「トヨタ自動車」の始まりです。当時、自動織機の製作によって蓄積した鋳造・機械加工技術などのノウハウを活かし、自動車製作の研究を進めた結果、「トヨタ自動車」初の自動車である1935年11月"G1"型トラックを発売しました。

1936年には販売における金融サービス提供の為、「トヨタ金融会社(Toyota Kinyuu Kaisha)」を設立。これが、大手総合商社である今の「豊田通商(Toyota Tsusho Corporation)」の前身です。また同年9月には、最初の量産乗用車である"AA"を発売。翌年である1937年8月 28日に、「トヨタ自動車」は「豊田自動織機製作所」より完全独立します。

日中戦争や太平洋戦争時は、主に陸軍用トラックや派生型"AA"を生産し、「川崎重工業(Kawasaki Heavy Industries, Ltd.)」と共同で航空機用エンジンも製造しました。敗戦後はデプレーションの影響で経営危機に陥りましたが、韓国戦争による軍用トラック特需を通じ、経営危機を乗り越えます。この時、銀行からの緊急投資を受血する代わりに、販売強化の為に「トヨタ自動車販売株式会社(Toyota Motor Co., Ltd.)」を別途設立することになります。

「トヨタ自動車」はこの時から、クラウン(Crown, 1955年)、カローラ(Corona, 1957年)、ダイナ(Dyna, 1959年)、パブリカ(Publica, 1961年)などのステディーセラー自動車を次々と発売。その中で1966年に発売されたカローラは、33年連続日本国内販売1位を記録し、「トヨタ自動車」の日本国内市場制覇に決定的なやくわりを果たしました。また北米・タイ・ブラジルなどにも本格的に進出を始め、急速に売上が増加。その結果、カローラ発売10年後である1974年には、世界自動車販売量トップを勝ち取りました。

1989年にはアメリカ市場をターゲットに、高級ブランド"レクサス(Lexus)"をロンチングさせましたが、バブル崩壊によって「トヨタ自動車」の業績もかなり悪化されました。特に市場の流れ自体が、セダン型の高級車より、SUVやミニバンなど、実用性を重視する方向に代わっていき、「トヨタ自動車」のマーケットシェアは落ち始めました。これに対し、1999年に世界初の量産ハイブリッド自動車"プリウス(Prius)"を発売。ハイブリッド自動車を保有している環境先進企業のイメージの構築に成功するのと同時に、海外販売をより拡大しました。この結果、2002年から海外での販売量が急増し始めました。

しかし、リマンショック時は58年ぶりに営業利益が赤字に転じたり、2009年~2010年には大規模リコールが発生したり、2011年には東日本大震災など数々の悪条件により、「General Motors」と「Volkswagen」に出し抜かれ、世界シェアは3位まで下落しました。これに乗り越えるため、2008年からコスト削減の努力を強化する一方、意思決定の迅速化の為に取締役の数を大幅に減らし、海外法人に一部の権限を委任するなど、様々な企業努力を実施しました。その結果、2012年には歴代最大である974万7,762台の販売を達成し、世界トップシェアを再び取り戻します。

今現在、「トヨタ自動車」は全世界を相手に販売活動を行っており、こういった世界レベルの販売力が「トヨタ自動車」の強みの一つです。また、売上高の桁が他の企業と違う為、圧倒的な資金力を持っており、これを引き続きR&Dに再投資しています。これによって、特に自動運転分野においては日本国内で敵がないと評価されています。また自動車産業のみならず、他の産業にも大きな波及効果を齎すと予測されている全個体電池分野においても、世界最高水準の技術力を持っており、これは2020年序盤に実用化されると言われています。

但し、世界最大の自動車市場と呼ばれる中国市場では、比較的に弱い方です。中国でだけは「日産自動車(Nissan Motor Co., Ltd.)」と「本田技研工業(Honda Motor Co., Ltd.)」に次ぐ、日本系3位に止まっています。また自動運転分野で日本一だと評価されていますが、世界レベルでみると「Tesla」などには比較的に遅れています。また非常なアイディア力を持つ「Google」や「Apple」といった企業たちが自動運転分野に目を付けている事も、リスクだと言えます。

 

 

 

3. 主要事業

 

■ 自動車事業
「トヨタ自動車」の核心事業です。1937年、創業者である豊田佐吉が、周りの反対を振り切って自動車事業を始めた頃には、ただのベンチャーに過ぎませんでした。しかし今では、日本経済を支える事業となっています。

■ 金融事業
「トヨタファイナンスサービス株式会社(Toyota Financial Services Corporation)」」を通じ、日本を始めとする世界35ヶ国以上の国・地域に自動車関係金融サービスを提供しています。

■ 住宅事業
「トヨタホーム株式会社(Toyota Housing Corporation)」を通じ、一戸建て・リモデリングなど住居に関する様々な事業を展開しています。

 

 

 

4. 財務情報

 

※単位は100万円、2018年基準

		2016年	2017年	2018年
連結売上高		27,597,193	29,379,510	30,225,681
連結営業利益		1,994,372	2,399,862	2,467,545
連結総資産		48,750,186	50,308,249	51,936,949
連結純資産		18,668,953	19,922,076	20,565,210
売上内訳	日本	8,798,903	9,273,672	9,520,148
	北米	10,033,419	10,347,266	10,585,934
	ヨーロッパ	2,517,601	2,940,243	3,055,654
	アジア	4,279,617	4,497,374	4,832,392
	その他	1,967,653	2,320,955	2,231,553