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「ソニー(Sony Corporation)」は日本の代表的な電子製品メーカーです。今現在、CMOSイメージセンサー、ゲーム、ハードウェアや映画・音楽分野にも進出しており、事業分野が複合エンターテインメントと金融にまで広がっています。また子会社を通じて銀行業、生命保険業、損害保険業、不動産業、放送業、出版業、介護事業、通信事業、教育事業に至るまで、非常に幅広い領域で事業を展開しています。 2018年基準、日本企業の中で最も多いグループ会社数(1,733社)を持っており、これは「日立製作所(Hitachi, Ltd.)」よりも400社以上多い水準です。連結従業員数は約114,400名です。
1. プロフィール
2. 概要および特徴
3. 主要事業
4. 財務情報
1. プロフィール
※単位は100万円、2018年基準
社名 |
ソニー |
英文社名 |
Sony Corp. |
設立 |
1946年5月7日 |
本社所在地 |
〒108-0075 東京都港区港南一丁目7番1号 |
資本金 |
874,291 |
連結売上高 |
8,665,687 |
連結営業利益 |
894,235 |
連結総資産 |
20,981,586 |
連結総資本 |
4,434,690 |
自己資本比率 |
21.1% |
連結従業員数 |
114,400 |
2. 概要および特徴
1946年、井深大(Ibuka Masaru)と盛田昭夫(Morita Akio)によって設立された「東京通信工業株式会社(Tokyo Telecommunications Engineering Corporation)」が、「ソニー」の始まりです。創業当時はラジオの修理を主力事業としており、真空管・電圧計も製造していました。1950年からは日本初のテープレコーダーを開発し、1955年には日本初のトランジスターラジオを発売しました。この時から、製品に"SONY"というマークを入れています。
その背景には、当時開発したトランジスタラジオを海外に輸出する際、「東京通信工業」という名称は英語圏の人には発音し難く、略語である"TTK"は既に「東京急行電鉄(Tokyu Corporation)」に先取りされていた為、"SONY"という別途のブランド名を付けることになりました。その後、このトランジスタラジオが海外で大ヒットし、"ソニー"という名称が海外でかなりの知名度を得た事から、1958年1月の時点で社名を「ソニー」に変更する事になります。
1960年からはアメリカに現地法人を設置し、直接販売活動に取り掛かります。61年には世界初のビデオテープレコーダー(VTR)を、64年にはこれを家庭用化したオールトランジスタVTRを、70年代後半にはビデオカメラを、79年には携帯用カセットプレーヤーである "ウォークマン(Walkman)"などメガヒット商品を次から次へと発売し、世界最大級電気製品メーカーに成長します。
同時に1960年代以降、上記のような電子製品のみならず、その他の事業にも進出を開始します。資産管理事業や「CBS」と合資でレコード事業を始めたり、75年には「Union Carbide」と合資で電池事業を開始したこともあります。その後、「Union Carbide」が経営難を理由にこの合資を解消した1986年以後からも、「ソニー」は引き続き電池事業を力を入れ、やがてリチウムイオン電池を開発し、1990年には製品化に成功します。
また79年には「ソニー・プルデンシャル生命保険(Sony Prudential Life Insurance Co., Ltd.)」を設立します。これは、今現在の「ソニーフィナンシャルホールディングス(Sony Financial Holdings Inc.)」の前身です。89年には「Columbia Pictures Entertainment, Inc.」を買い取り、映画事業にも進出しました。93年からは「ソニーコンピュータエンタテインメント(Sony Computer Entertainment Inc.)」という会社を立ち上げ、家庭用ゲーム機事業を始めます。
2000年代からは、韓国と中国の家電製品メーカーの登場によって、「ソニー」の家電製品部門の競争力がどんどん下がってしまいました。代表的に「ソニー」のTV事業は10年連続で赤字状態になり、リストラクチャリングを繰り返すハメになりました。また2009年のリマンショック当時、「ソニー」のTV、カメラ、パソコンの売上が急減し、これをきっかけに業績が低迷なパソコン事業などを果敢に整理し、経営再建を図りました。その結果、今では安定的に利益を出せるようになりました。
現在「ソニー」は、プレイステーションといったゲーム・ネットワークサービス分野において高い売上を上げており、営業利益も15%という極めて高い水準を確保しています。ゲーム・ネットワーク以外の事業も多角化が進んでおり、事業間の売上バランスはかなり良好だと評価されています。先述したTV事業も高付加価値製品に主力し、利益率を上げています。
しかし問題は、モバイル事業です。「ソニー」は事業として成り立っているかどうかも怪しい、スマートフォン事業を未だに続けています。"Xperia"で代表される「ソニー」のスマートフォン事業は、他社に比べ競争力が低く、あまりにも赤字だらけなので「ソニー」が他の分野から稼いた利益を、ここで吸い取られていると言われる程です。にもかかわらず、「ソニー」がスマートフォン事業を続けている理由は、5G向け技術の為だと推測されています。
半導体事業においては、「ソニー」はイメージセンサ半導体を得意としており、世界トップシェア(約45%)を持っています。これは、同分野にて世界シェア2位である「Samsung Electronics」の21%を大きく上回る数値です。また、その立場を更に頑固たるモノにする為、2018年から3年間、約1兆円をこのイメージセンサー分野に投資する見込みです。
また安定的な財務基盤があることも、強みだと言えます。過去リマンショック当時、「ソニー」の電子事業の業績が低迷だったのにも関わらず、頑固たる財務基盤をベースにした金融事業や株式運用事業がいい成果を出し、黒字を維持した事があります。このような財務基盤があるため、「ソニー」は新しい事業に挑戦し続ける力量を持っていると評価されています。
3. 主要事業
■ 「ソニーホームエンターテインメント」
TV、ビデオ、オーディオ、デジタルカメラ関連事業です。「ソニー」の伝統的な事業であり、"ビデオカメラ"や"ウォークマン"のような、時代を先走る技術とデザインで有名です。
■ 「ソニーモバイルコミュニケーション」
スマートフォン、インターネット関連事業であり"Xperia"に主力してます。またインターネット通信サービスである"So-net"も展開中です。
■ 「ソニーインタラクティブエンターテインメント」
"プレイステーション4"を中心にプラットフォーム事業を展開中です。このプレイステーションのネットワークを通じ、ゲームのみならず映画・音楽・TVなどのサービスを提供しています。様々な「ソニー」の領域の中で、最も利益率が高い部門です。
■ 「ソニーピクチャーズ」
「ソニー」はアメリカのロサンゼルスにスタジオを持っており、映画・TVプログラムの製作・配給などエンターテインメントに関わる全部門を取り扱っています。「Columbia Pictures Industries, Inc.」、「Screen Gems」、「TriStar Pictures」, 「ソニーピクチャーズアニメーション」、「ソニーピクチャーズクラシック」を傘下に入れており、3,500編以上の映画と50,000エピソード以上のTVシリーズを提供しています。
■ 「ソニーミュージック」
総合エンターテインメント企業として、音楽を中心に、アニメーションやゲームキャラクターなどのコンテンツビジネスとソリューション事業、ライブ事業などを多角的に展開しています。
■ 「ソニーファイナンシャル」
"ライフプランナー"がコンサルティングを通じ、カスタマイズされた保険を提供する「ソニー生命保険」、ダイレクト型保険会社である「ソニー損害保険」、ネット銀行として高い品質・便利性を提供する「ソニー銀行」も展開中です。
4. 財務情報
※単位は100万円、2018年基準
|
2016年 |
2017年 |
2018年 |
|
連結売上高 |
7,603,250 |
8,543,982 |
8,665,687 |
|
連結営業利益 |
288,702 |
734,860 |
894,235 |
|
連結総資産 |
17,660,556 |
19,065,538 |
20,981,586 |
|
連結純資産 |
3,135,422 |
3,647,157 |
4,434,690 |
|
売上内訳 |
ゲーム & ネットワーク サービス |
1,649,799 |
1,943,812 |
2,224,622 |
音楽 |
647,658 |
799,995 |
795,025 |
|
映画 |
903,129 |
1,011,067 |
985,270 |
|
ホームエンターテイメント&サウンド |
1,039,004 |
1,222,733 |
1,154,533 |
|
イメージング製品 & ソリューション |
579,633 |
655,892 |
661,304 |
|
モバイルコミュニケーションズ |
759,145 |
723,742 |
487,330 |
|
半導体 |
773,123 |
850,010 |
770,622 |
|
金融 |
1,087,504 |
1,228,377 |
1,274,708 |
|
その他 |
450,450 |
407,174 |
299,806 |
|
調整額 |
-286,195 |
-298,820 |
12,467 |
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