亀はどうやって長寿することができる？！

 亀はどうやって長寿することができる？！

カメは非常に長生きする動物です。これまで記録された最も長寿したカメはジョナサンという名前のアルダブラゾウガメ(Aldabrachelys gigantea)で現在187歳です。アルダブラゾウガメは驚くべきことに、80歳までは出産も可能だそうです。さらに、大柄なカメだけでなく、比較的小さな種のカメも狩られない限り、半世紀以上は生きていけます。まさに「長寿」の象徴的な存在であるカメ。100歳以上の年月を生きることも当たり前なカメたちは、どうやってそこまで長生きができるのでしょうか？

人間を含む殆どの動物は、年を取るほど死ぬ確率が高くなります。なぜなら、私たちの体は時間が経つにつれ劣化が進行するからです。どんな機械であろうとも部品は経年変化によって劣化され、その劣化の程度が致命的なレベルにまで達すると、最終的に壊れてしまいます。人間もこれと同じです。しかし、カメの場合には、必ずしもそうとは限らないのです。可笑しなことに、カメの中では年を取るほど健康になる場合もあるし、上で話したアルダブラゾウガメのように年を取っても健康な子孫を残せることができますから！ 詳細な事については、まだ明らかになっていませんが、カメの体には驚異的な酸化ストレスに対する耐性が揃っていると言われ、これが長寿の秘訣かもしれないらしいです。

酸化ストレスは、ROSとも呼ばれる活性酸素に反応することで生まれます。活性酸素とは、酸素を含む化合物の一種でありますが、これによる被害が蓄積されると、ニューロンと免疫細胞の老化が進行されます。ただし、活性酸素の反応そのものは有害な物質ではなく、我々が食べた食べ物を燃料電池に変えるときは、常に生産される一種の副産物です。したがって、ROSを排除することは不可能で、排除する代わりにコントロールする必要があります。亀がROSをコントロールする方法は活性酸素を少なくすることです。カメの代謝作用は非常に遅いので、似たようなレベルの大きさの他の動物に比べると、カロリーを少なく消費します。そのほかにも亀が変温動物という点も鍵となります。カメの体は多少の外部気温の変化にもかかわらず、問題なく機能します。したがって、カメは私たち人間のように、少し暑いか寒いかによって、深刻なストレスを経験することもないです。

ストレスが少ないということは、ROSが少ないことを意味します。それに加え、カメは作られたROSをコントロールすることもできます。ROSの化合物は、テロメアに被害を与えることになります。テロメアとは、染色体の端にある染色小粒で細胞の寿命を決める役割をします。カメは多くの酸素テロメアを作り出すことができますので、テロメアが短くなることを防ぐことができます。これにより、細胞をより健康に、そしてより長く持続させれば、癌や他の病気にかかる確率も下げる効果があります。そのほかにもカメは、多くの抗酸化物質や細胞の被害を減らすタンパク質を作り出すことができます。このようにカメは長寿と健康的な生活に有利な特徴をあまねく取り揃えており、そのおかげで、様々な医学と薬学の知識で武装した人間さえも追い越すことができるのです！